【新NISA】いつ売るのが正解?暴落でも焦らない最強の出口戦略

「投資は『入り口(買う時)』よりも『出口(売る時)』が難しい」 これは投資の世界の格言です。

積立期間中は、何も考えずに買うだけで済みますが、いざ使う時(子供が大学入学する時)には「いつ、いくら売るか? 今は売り時なのか?」という高度な判断を迫られるからです。

特に教育資金は、老後資金とは違い、大学の入学金や授業料など、支払い期日が固定された避けられない期限があります。「今は株価が暴落しているから、学費を払うのを2年待ってください」とは大学に言えません。

今回は、将来必ず訪れる「売却」のタイミングで失敗しないための、「3つの財布」を使った最強の出口戦略を解説します。

目次

教育費を守る「3つの財布」戦略とは?

出口戦略を難しく考える必要はありません。シンプルに「3つの財布(防衛ライン)」を用意しておき、状況に合わせて使い分けるだけです。

  • 第1の財布(メイン):新NISA
    • 基本的には、ここから売却して教育費(学費等)を払います。
  • 第2の財布(盾):現金(生活防衛資金)
    • 暴落が起きた時だけ、NISAの代わりにここから払います。
  • 第3の財布(保険):奨学金
    • 想定外の特大暴落が起きた時の、最後のセーフティーネットです。

この3段構えさえあれば、どんな相場環境でも大学費用を支払うことができます。それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。

中高時代(12〜18歳)は「必要に応じて計画的に取り崩す」

まず、子供が大学入学前の中高生時代についてです。ここは塾代や部活の遠征費などで、家計の支出が一気に増える時期です。

この記事を読んでいる賢明なあなたなら、この時期に家計が圧迫されることは、最初から想定内のはずです。

ですので、もし月々の家計収支だけでは足りない場合、無理に節約したり我慢したりせず、新NISAを計画的に取り崩して充当してください。

取り崩しに罪悪感はいらない

多くの人は「せっかく積み立てた投資信託を崩すのはもったいない」と考えて、赤字に耐えようとします。 しかし、それは間違いです。

これは教育資金です。使うために貯めているお金であり、18歳まで手を付けてはいけないというルールはありません。 「塾代がかさむこの3年間は、毎年〇〇万円を取り崩す」というように、堂々と計画に組み込んでください。

ここで取り崩すことに罪悪感を感じて、せっかくの家族旅行を我慢したり、子供が必要とする習い事を諦めさせたりすることこそ、本末転倒です。繰り返しますが、中高時代の出費増は、最初から想定内のはず。資産(数字)を守るために、「今しかできない家族の経験」を犠牲にしては意味がありません。

【鉄則】目標額を超えたら、迷わず「勝ち逃げ」せよ

ここで一つ、非常に重要なルールをお伝えします。

教育資金デザインラボでは、これまで一貫して期待利回り4%という保守的な数字でシミュレーションを行なってきました。しかし、過去の実績を見れば、世界株式インデックス(オルカン)の平均利回りは7%程度が期待できます。

つまり、あえて低く見積もった計画を立てているため、実際の運用結果はシミュレーションよりも大幅に上回る可能性が高いのです。

「嬉しい誤算」はすぐに確定させる

もし、運良く相場が好調で、子供が15歳〜17歳の時点で目標金額を達成していたらどうすべきか?

答えは、上振れした分、あるいは全額を売却して、勝ち逃げしてください。

「このまま持っていれば、もっと増えるかも…」そんなスケベ心は一切不要です。教育資金運用において最大の失敗は、直前の暴落で足りなくなることです。

すでにゴールテープを切れているのに、わざわざリスクを負って走り続ける必要はありません。 勝っているうちに利益を確定させ、安全な現金(第2の財布)に移しておく。 これが、確実に学費を守り抜くための大人の知恵です。

大学入学時(18歳)の暴落対策

いよいよ本番。支払い額が桁違いに大きくなる「大学入学(18歳〜)」のタイミングです。ここでのルールは2つだけです。

ルール①:通常時は「迷わず新NISAを売る」

株価が好調、あるいは横ばいであれば、迷わず新NISAを売却して支払ってください。「もっと上がるかも…」というスケベ心は不要です。必要な額をきっちり現金化するのが正解です。

ルール②:暴落時は「現金を盾にする」

もし、運悪く支払い時期にリーマンショック級の大暴落(株価が30%〜50%ダウン)が直撃していたら?この時だけは、新NISAを売却することは必ずしも賢明ではありません。資産を安値で叩き売ることになるからです。

代わりに、第2の財布である現金(生活防衛資金)を使って学費を払ってください。普段は手を付けずに取っておいた生活防衛資金(例:300万円)は、まさにこの時のためにあるのです。

  1. 暴落中は、新NISAを売らずにガチホ(保有継続)する。
  2. 学費は、手元の現金から支払う。
  3. 数年して株価が回復したら、新NISAを売って、使った現金を補充する。

こうすることで、暴落の底値で売らされるという最悪の事態を回避できます。これが「現金の盾」戦略です。

コラム:「暴落予知」に惑わされるな

ここで一つ、警告があります。 SNSやYouTubeでは、自称専門家たちが「暴落シグナル点灯! 今すぐ逃げろ!」と発信していますが、これらは全て無視してください。

「暴落を予知して回避する方法(下がってから買い戻す裏ワザ)」など、この世に存在しません。 プロですら読めない相場を、素人がスマホの情報だけで立ち回ろうとすれば、間違いなく往復ビンタ(売った直後に上がり、慌てて買った直後に下がる)を食らって退場します。

相場を読もうとしないでください。あなたの仕事は、トレードすることではなく「決めたルール通りに、淡々と取り崩すこと」。それだけです。

想定外の特大暴落が来たら? 最後の砦「奨学金」

では、さらに最悪のケース。「世界恐慌クラスの特大暴落が来て、しかも10年以上回復せず、手元の現金も尽きてしまった」場合はどうすればいいでしょうか?

その時は、堂々と第3の財布「奨学金」を借りてください。

「子供に借金を背負わせるなんて…」と罪悪感を持つ必要はありません。私たちが積み上げたオルカン(世界株)がそこまで破壊されているということは、世界経済全体が崩壊している状態です。現預金しか持っていない他の家庭は、インフレや不況でもっと悲惨な状況でしょう。

そんな世界線では、「大学に行くなら奨学金が当たり前」という常識になっています。周りの友人もみんな借りている状況なので、あなたのお子さんだけが惨めな思いをすることは決してないでしょう。

まとめ:出口こそシンプルに

投資の出口戦略は、難しく考える必要はありません。

  1. 通常時:淡々と「新NISA」を売って払う。
  2. 暴落時:「現金(生活防衛資金)」を盾にして払う。
  3. 緊急時:堂々と「奨学金」を借りる。

このシンプルな3段構えがあれば、どんな未来が来てもお子さんを大学に送り出すことができるでしょう。

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この記事を書いた人

教育資金デザインラボ代表。元日系投資銀行(IBD)出身のFP兼宅建士。
「お金の世界は嘘ばかり」という信念のもと、ポジショントークを排除した『数字に基づく資産形成術』を発信中。早大理工・英国大学院修了。都内で2児(2歳・0歳)を育てるパパ経営者。

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