【真理】金融機関の提案は全部ゴミ。VIP待遇の正体はカモ狙い

「投資で損をするのは、株価が暴落するからだ」 そう思っていませんか?

実は、資産運用には2つの大きなリスクがあります。 一つは、株価が変動する市場のリスク。 そしてもう一つが、他人に騙される人間のリスクです。

教育資金デザインラボでは、市場のリスク(暴落)への対策を重点的に解説しておりますが、本当に恐ろしいのは後者の人間のリスクです。 市場はいつか回復しますが、人間に騙し取られたお金は二度と戻ってこないからです。

この記事では、不動産業界のある有名な格言をベースに、あなたの退職金を狙う金融機関(銀行・証券・保険)や、親切な顔をした友人の「正体」を暴きます。

目次

黄金のルール「向こうから来る話は全部ゴミ」

不動産業界には、ネットスラングとしても有名な、ある「至言」があります。

『向こうから来る物件は全部クソ』

これは、「わざわざ営業マンが売り込みに来るような物件に、優良なものなど一つもない(売れ残りだから必死に売り込みに来るのだ)」という意味です。

この真理は、金融商品でも全く同じです。 本当に儲かる優良な投資信託(オルカンなど)は、銀行/証券会社が黙っていてもネット証券で飛ぶように売れています。

逆に、金融機関の担当者がわざわざ電話をかけてきたり、自宅まで訪問してくる商品。 それは、「手数料が高すぎて誰も買わないから、情弱な高齢者に売りつけるしかないゴミ商品」だと思って間違いありません。

まずはこの「向こうから来る=ゴミ」という大原則を、脳に刻み込んでください。

実録:「支店長」がわざわざ家に来る理由

では、そのゴミ商品はどのようにして持ち込まれるのでしょうか? 典型的な自滅パターンを紹介しましょう。退職金が一括で入ってきて、銀行口座に数千万円という大金が入ったケースを想定して考えてみましょう。

罠の入り口:「VIP待遇」という麻薬

「山田様、長年のお勤め、本当にお疲れ様でした。本日は、支店長の私自らご挨拶に伺いました」

インターホンが鳴り、現れたのは窓口担当者ではなく、なんと支店長。 現役時代、部下を従えていたあなたも、定年退職した瞬間からただの無職の高齢者になります。社会的な肩書きを失い、誰からも「部長」と呼ばれなくなる喪失感。

そこに現れる、支店長という肩書きを持つ人間からの最敬礼。 彼らはプロです。あなたの承認欲求の渇きを敏感に嗅ぎ取ります。「お客様は特別な存在です」この特別扱いが、退職者のプライドをくすぐり、心のガードを完全に下げさせるのです。

罠のセールストーク

自宅のリビング、あるいは金融機関の応接室。 支店長は、あなたの武勇伝や現役時代の苦労話を、身を乗り出して聞き入ります。

「さすが、山田様のようなご見識のある方は違いますね」

この瞬間、あなたは無意識にかつての有能な上司に戻り、目の前の支店長を忠実な部下のように錯覚します。 これが致命的なミスです。 この空気感が完成すると、あなたは「部下(支店長)の提案を、度量の広い上司(あなた)が承認してやる」という行動を取りやすくなるからです。

信頼関係(という名の依存関係)ができたところで、支店長は切り出します。

「今の時代、ただ円で持っているだけではインフレで目減りしてしまいます」 「大切なお孫様のために、資産を『守りながら増やす』特別なプランがございます」

ここで出てくるのが、悪名高い「外貨建て一時払い保険」や「複雑な仕組み債」です。 これらは、顧客にとっては百害あって一利なしの代物です。

心理的な「詰み」とパニック論法

冷静な時なら、「手数料が高すぎる」と気づくかもしれません。 しかし、目の前には忙しい中、わざわざ自分だけのために時間を割いてくれた支店長がいます。お茶まで出してもらい、昔話に付き合ってもらった手前、人間には何かお返しをしなければという心理が働きます。

「まあ、支店長がそこまで言うなら、付き合ってやるか」

ハンコを押した瞬間、あなたの退職金から莫大な手数料が金融機関の利益として蒸発します。 支店長が深々と頭を下げて帰った後、手元に残るのはVIP客という空虚なプライドと、リスクだらけの金融商品だけ。

思考を停止させる「パニック論法」

支店長が使うのはプライドをくすぐるアメ(VIP待遇)だけではありません。ムチ(恐怖)もセットで使われます。これが、正常な判断力を強制的に停止させるパニック論法です。

1. 極端な未来図で不安を煽る 「日本国債の暴落」「ハイパーインフレ」「預金封鎖」。 普段ならまさかと笑い飛ばせる極論も、権威ある支店長に「プロの視点ですが…」と真顔で囁かれると、リアリティを持って迫ってきます。

2. 思考停止させる 人間は強い不安を感じると、思考能力が低下し、目の前の解決策に飛びつきたくなる習性があります。彼らは意図的にこの状態を作り出します。「今のままでは、虎の子の退職金が紙切れになりますよ」と脅し、逃げ道を塞ぐのです。

3. 「解決策」として商品を出す パニックになった脳に、彼らは救いの手を差し伸べます。「でも、この外貨建て商品なら資産を守れます」といった流れで手数料の高い商品を売りつける。最低のスキームです。

「老後にお金がないと惨めですよ」という老後不安商法もセットで使われます。 元管理職のような責任感の強い人ほど、家族を守らなきゃという焦りから、この論法にコロッと騙されてしまうのです。

【番外編】「友達のクチコミ」にも毒がある

金融機関の人間だけでなく、「友人」にも注意が必要です。「この投資、儲かるらしいよ」と友人が勧めてくることがありますが、これには恐ろしい心理が働いています。

人間というのは、仲間を欲しがる生き物だからです。

怪しい商品を買ってしまった人は、心の奥底で「自分の判断は正しかったのか?」と不安を感じています。 その不安を取り繕うために、自分と同じような仲間(共犯者)を欲しがります。

友人が悪気なく勧めてくる儲け話の正体は、「私も損をするかもしれないから、あなたも一緒にリスクを背負ってよ」という無意識の叫びかもしれません。 たとえ仲の良い友達でも、お金のことに関しては警戒しすぎるくらいが丁度よいのです。

【例外】本物の情報は「営業」の顔をしてやって来ない

ここまで「向こうから来る話は全部ゴミ」と断言しました。 しかし、世の中にはごく稀に本物の情報(金脈)も存在します。 それは、電話や訪問販売の中ではなく、あなたが時間をかけて関係を築いた「信頼できる人脈(継続的なパートナー)やコミュニティ」の中にだけ、ひっそりと流れています。

本物の情報は、決して「向こうから営業」してきません。 あなたが会いに行き、関係を温め、信頼を得て初めて共有されるものです。

  • 偽物(ゴミ): 向こうから笑顔で近づいてくる(銀行、証券営業、怪しい勧誘)
  • 本物(金脈): 自分から会いに行き、信頼関係の中にだけ存在する(顧問、メンター、継続的な相談相手)

「向こうから来る美味しい話」をすべて遮断した上で、自分から本物を探しに行く。この人脈という唯一の例外こそが、あなたの資産を鉄壁のものにします。

この「人脈」の重要性については、以下の記事で詳しく解説しています。これを読めば、なぜ富裕層だけが騙されずに資産を増やせるのか、そのカラクリが分かるはずです。

最後に:「特別な提案」はチャンスではなく、ピンチです

金融機関だけではありません。不動産屋、謎の投資コンサルタント…。 もし、まだ深い信頼関係も築けていない、付き合いの浅い相手から、突然「あなたに提案したい特別な商品がある」「個室でゆっくり話をしたい」と言われたら、最大限の警戒をしてください。 その時点で、あなたはカモとしてロックオンされている可能性が高いです。

もちろん、世の中には対面証券のIPO(新規公開株)のように、本当に利益が出る特別な提案も存在します。 しかし、そういった果実は、しっかりと取引実績があり、担当者と信頼を築いている本当の上客にしか回りません(詳細は、以下の記事で解説しております)。

退職金が入った直後や、窓口で数回話した程度の関係で、そんな魔法のような話が向こうからやってくることは、まずあり得ません。「関係の浅い相手からの『特別』は、すべて毒入りである」。 そう割り切ってしまって構いません。

「向こうから来る話は全部ゴミ」。 この合言葉さえ忘れなければ、銀行も証券会社も怖くありません。

そして、もし誰かのプロの助言が必要だと感じたら、向こうから来る営業マンを待っていてはいけません。あなた自身が汗をかき、お金を払ってでも、信頼できる優秀な相談相手を自分から探しに行ってください。そういった能動的なアクションこそが、将来あなたを守る「本物の人脈」を築く第一歩となります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

教育資金デザインラボ代表。元日系投資銀行(IBD)出身のFP兼宅建士。
「お金の世界は嘘ばかり」という信念のもと、ポジショントークを排除した『数字に基づく資産形成術』を発信中。早大理工・英国大学院修了。都内で2児(2歳・0歳)を育てるパパ経営者。

コメント

コメントする

目次