【年金】将来いくら貰える?スマホ5分で実際の手取りを知る方法

「老後2,000万円問題? うちは夫婦で厚生年金だから、まあなんとかなるでしょ」 「ニュースで『モデル世帯の年金は月22万円』って言ってたし、平均くらいはあるはず」

もしあなたが、ニュースの平均値を信じて安心しているなら、それは本当に危険です。断言しますが、その平均はあなたには適用されません。

なぜなら、国が発表するモデル世帯とは、昭和の専業主婦家庭を前提とした、現代にはほぼ存在しない前提だからです。 働き方が多様化した令和の今、年金額ほど人によって差が出るものはありません。あなただけの数字を見ない限り、老後計画は進みません。

この記事では、あてにならない平均値を捨て、スマホで「あなた自身の将来の年金手取り額」を5分で割り出す方法を完全解説します。

目次

年金に一般論は通用しない

まず、残酷な現実をお伝えします。 メディアが報じる「モデル世帯(月額約22万円)」というのは、以下のような昭和の超・標準的な家庭を指しています。

  • 夫: 40年間、ずっと会社員(平均的な年収)
  • 妻: 40年間、ずっと専業主婦
  • 転職・独立・未納期間: 一切なし

今の時代、こんな家庭はむしろ少数派です。 共働き、転職、派遣、育休、フリーランス経験……。人生のコースが違えば、年金額は大きく変わります。みんなと同じくらい貰えるだろうという甘い考えは、今すぐ捨ててください。

最強の武器「ねんきんネット」を使え

では、自分の年金をどうやって知ればいいのか? 多くの人が「誕生月に届くハガキ(ねんきん定期便)」を見ればいいと思っていますが、これは大きな間違いです。

50歳未満のハガキは過去しか見ていない

50歳未満の方に届くハガキに書かれている金額は、これまでの加入実績に応じた年金額です。つまり、「もし明日会社を辞めて、一生働かなかったらこの金額」という数字しか載っていません。 見込み額が月5万円や8万円になっていて、「少なすぎる!」と驚いた経験はありませんか? それは、将来の分が含まれていないからです。

スマホで未来をシミュレーションする

必要なのは過去の実績ではなく、「このまま働いたら、将来いくらになるか」という未来予測です。 それができるのは、日本年金機構が運営する「ねんきんネット」だけです。

マイナンバーカードさえあれば、スマホから登録なしで即座にログインできます。 そこで「かんたんシミュレーション」を選べば、現在の働き方を60歳まで続けた場合のリアルな見込み額が5分で弾き出されます。

【注意】その数字は手取りではない。「×0.8」が正解の理由

ねんきんネットで数字が出ても、まだ喜んではいけません。 そこに表示されているのは「額面(総支給額)」です。会社員の給料と同じで、そこから税金や保険料は引かれます。

老後計画で使うべきは、実際に口座に振り込まれる「手取り額」です。

結論:「×0.8」のストレスをかけておく

教育資金デザインラボの推奨は、「額面 × 0.8(2割減)」という計算式です。

  • 天引きされる税・社会保険料(約10〜15%)
  • 将来の給付水準の低下リスク(マクロ経済スライドによる調整)

この2つを合わせて「20%OFF」にしておけば、とりあえず安全圏の数字になるでしょう。

【計算例】

シミュレーション結果(額面): 25万円

将来のリアルな手取り(予測): 25万円 × 0.8 = 20万円

「2割も減らすなんて厳しすぎる」と思うかもしれません。しかし、見栄えの良い数字に踊らされて老後破綻するより、「×0.8」の負荷をかけた数字で現実直視することこそが、賢い大人の防衛術です。

定期的な答え合わせで精度を高める

また、このシミュレーションは一度やって終わりではありません。 特に今30代の方にとって、30年以上先の予測はどうしてもブレが生じます。

しかし、例えば5年後にまたシミュレーションを行えば、この5年間の予測が確定した実績(納付済記録)に変わっています。 つまり、年齢を重ねるほど、確定要素が増えてシミュレーションの精度は勝手に上がっていくのです。

加えて、年金制度そのものも今後変化していくでしょう。 支給ルールの変更や給付水準の調整など、国の制度が変われば、当然あなたの受給額も変わります。 昔のシミュレーション結果を信じ続けるのは危険です。最新のルールを反映させるためにも、定期的なチェックは欠かせないのです。

  • 毎年の誕生月にチェックする
  • 昇給や転職のタイミングで再計算する

このように答え合わせ(定点観測)を続けることで、老後の視界はどんどんクリアになっていきます。見えない不安を消す最良の方法は、定期的に現実を見続けることです。

忘れてない? サラリーマンの隠れ資産

公的年金の他に、会社員にはもう一つの強力な武器があります。 それが「企業年金(退職金代わり)」です。

多くの会社では、「確定給付企業年金(DB)」や「企業型確定拠出年金(企業型DC)」という名前で、社員のために積立を行なっています。 これらは、ねんきんネットには表示されません。完全に別枠の埋蔵金です。

確認は給与明細か「人事ポータル」で

「自分の会社にあるか分からない」という人は、毎月の給与明細を見てください。 「確定拠出年金掛金」や「企業年金」といった項目があれば、会社が積み立ててくれています。

あるいは、社内の人事ポータルサイト等を確認してください。 自分が知らない間に、数百万円単位の資産が育っているケースも珍しくありません。これも立派な老後資金の一部です。

結論:数字を見れば不安は課題に変わる

老後不安の正体は見えないことです。足りるか分からないから怖いのです。

  1. ねんきんネットで額面を出す
  2. 「×0.8」をして手取りを出す
  3. 企業年金の有無を確認する

この3ステップを踏めば、例えば「公的年金の手取り20万円 + 企業年金など」という具体的な武器が見えてきます。 もし目標に届かなければ、その差額を新NISAで埋めればいいだけのこと。

漠然とした不安に怯える時間は終わりです。 今すぐスマホを取り出し、あなたの本当の数字と向き合ってください。

シミュレーションしてみて、やっぱり足りないかな…と思ったら、「足りない分をiDeCoで積み立てなきゃ!」と焦るかもしれません。 しかし、ちょっと待ってください。子育て世帯にとって、iDeCoは「最強の節税ツール」であると同時に、資金繰りを悪化させる拘束具にもなり得ます。 教育費が終わる前にiDeCoを始めてはいけない理由を、次の記事で解説します。

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この記事を書いた人

教育資金デザインラボ代表。元日系投資銀行(IBD)出身のFP兼宅建士。
「お金の世界は嘘ばかり」という信念のもと、ポジショントークを排除した『数字に基づく資産形成術』を発信中。早大理工・英国大学院修了。都内で2児(2歳・0歳)を育てるパパ経営者。

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