【完結編】教育資金の最適設計。資産運用で描く戦略的な準備の全貌

「子供2人。大学費用として最低2,400万円を準備していくなんて、我が家には厳しい。。」これまでの記事で、中高生の赤字転落や、底なしの課金地獄を見て、そう感じている方もいるかもしれません。

しかし、答えは非常にシンプルです。少しばかりの初期投資額を用意し、正しい投資方法(定期積立)で正しいペースで積み立てる。これだけで、あなたの家計は問題なく乗り越えられるということが分かるでしょう。

今回は、教育費カテゴリーの総決算として、誰でも再現可能な「黄金のロードマップ」を公開します。

目次

前提:使うのは「新NISA」と「オルカン」だけ

この戦略を実行するためのツールは、小難しいテクニックではありません。新NISAの口座で、全世界株式インデックス(通称:オルカン)」をひたすら買う。これだけです。

なぜそれが最適解なのか? 具体的な設定はどうするのか? その技術的な裏付け(完全ガイド)は、以下の記事に全てまとめてあります。

今はまだ、クリックして読まなくて大丈夫です。まずは、この記事で「ロードマップ(全体像)」を理解することを優先してください。 ただ、以下の記事には一生使える重要な技術が書かれています。この記事を読み終えた後、必ず目を通してください。

シミュレーション条件:あくまで保守的に

当ラボでは、夢のような高利回りは計算に入れません。あくまで現実的かつ、再現性の高い設定で設計します。

【基本設定】

・初期投資:300万円

運用利回り: 年利4% (保守的な数字です)

【キャッシュフローのルール】

この戦略の肝は、子供の年齢に合わせて「攻め」と「守り」を変えることです。

  • 0〜6歳(未就学児): 毎月 15万円 を積立
  • 7〜12歳(小学生): 毎月 10万円 を積立
  • 13〜18歳(中高生): 毎月 10万円取り崩し(売却)

黄金のロードマップ(0歳〜18歳)

このペース配分を守れば、資産はどう推移するのか。 驚くべきは、後半の「取り崩し期」です。

⚓️ Phase 1:ロケットスタート期(0〜6歳)

  • アクション: 毎月15万円を入金
  • キーワード: 「資産の『芯』を作れ」

人生で最もお金が貯まる「ボーナスタイム」です。ここで初期300万と月15万を投入し、雪だるまの芯(コア)を作ります。

  • 【6歳末の結果】
    • 元本合計:1,380万円(初期300万+積立1,080万)
    • 資産評価額:約1,600万円

小学校入学時点で、既に理系私立大学の学費分が確保できてしまいます。これが「時間を味方につける」ということです。

⚓️ Phase 2:巡航速度期(7〜12歳)

  • アクション: 毎月10万円を入金
  • キーワード: 「複利エンジンの点火」

「小4の壁」で食費や習い事費が増えるため、積立額を少し落とします。それでも月10万は死守。この期間に、資産は複利の力で勝手に膨らみ始めます。

  • 【12歳末の結果】
    • 元本合計:2,100万円
    • 資産評価額:約2,850万円

小学校卒業時点で、ほぼゴールである3,000万円に到達します。ここから先、あなたはもう自分のお金で学費を払う必要はありません。

⚓️ Phase 3:防衛戦・取り崩し期(13〜18歳)

  • アクション: 毎月10万円を取り崩す(売却)
  • キーワード: 「利回りが支出を相殺する」

ここが最重要ポイントです。中高生の6年間は、私立学費と塾代で家計が赤字になります。 ここで、ためらわずに毎月10万円(年間120万円)を資産から引き出してください。

「えっ、資産が減っちゃう!」と思うでしょうか? 計算してみましょう。

  • 資産残高(約2,850万円)× 年利4% = 年間 約114万円の利益
  • 取り崩し額 = 年間 120万円

つまり、「運用益」が「取り崩し額」のほぼ全額をカバーしてくれるのです。

  • 【18歳末(ゴール)の結果】
    • 6年間で合計720万円も使ったのに……
    • 資産評価額:約2,800万円

ほとんど減っていません。これが資本家の戦い方です。

結論:それぞれの「最適解」を見つけるために

このシミュレーションを見て、私たちがこれまで「中高生時代の赤字は恐れるな」「計画的な取り崩しは敗北ではない」と伝えてきた本当の意味が、お分かりいただけたのではないでしょうか。

0歳から12歳までに十分な種まきさえしておけば、中高生時代に資産を取り崩すことは、決して「資産の食いつぶし」ではありません。それは、成長した果実を収穫するだけの、極めて健全な経済活動なのです。

このスケジュールは「一例」に過ぎない

もちろん、今回提示した「0〜6歳で+15万、小学生で+10万、中高生で−10万」というスケジュールは、あくまで一つのモデルケースです。

  • 「うちは中学受験をしないから、小学生でもっと貯められる」
  • 「うちは私立理系ではなく、医学部を目指すからもっと必要だ」
  • 「祖父母からの援助が期待できる」

各家庭によって、前提条件は千差万別です。 すべての家庭に当てはまる唯一の正解など存在しません。

今、あなたの「見通し」を立てよう

大切なのは、このシミュレーション通りに実行することではありません。「我が家の場合はどうなるのか?」を、今この時点で見通しを立ててみることです。

完璧でなくて構いません。「うちは小学生の間だけ頑張って月12万にしよう」「高校では月5万の取り崩しで耐えられるようにしよう」

そうやって、自分たちだけの「積立と取り崩しのスケジュール」を紙に書き出してみてください。将来を漠然と不安に感じるのは終わりにして、具体的な数字と向き合う。そのアクションこそが、教育費問題に対する唯一の最適解です。

【Q&A】年代別リカバリー策

「うちはもう小学生なんですが…」「初期300万も用意できません」 そんな方のために、現在地別のリカバリー策(処方箋)を提示します。

当ラボでは、夢のような高利回りは計算に入れません。あくまで現実的かつ、再現性の高い設定で設計します。

パターンA:お子さんが4〜6歳(ボーナスタイム後半)

診断: まだ間に合います。ただし「複利」が効く期間が短くなっています。

対応策: 毎月の積立額を月18万〜20万にするなど、なんとかして入金力の強化を心がけてください。

パターンB:お子さんが小学生(イエローゾーン)

診断: 黄色信号です。今から資産を倍にするのは困難です。

対応策: 投資だけで解決しようとせず、家計の固定費を削ることを検討してください。不要な保険の解約、格安SIM、車の売却。これらを断行して、強制的に原資を作ってください。自分たちだけで判断するのが難しい、あるいは夫婦で意見が割れる場合は、信頼できる専門家(FPなど)に相談するのも有効な手段です。第三者の冷静な目で家計診断を受けてみましょう。

パターンC:お子さんが中学生(レッドゾーン)

診断: 残念ながら、今から投資で増やす十分な時間はありません。

対応策: 一発逆転を狙ったハイリスク投資は絶対にNGです。現金を確保し、奨学金や国立縛りについて検討することも必要かもしれません。もし祖父母に資産があるなら、教育資金の贈与をお願いできないか検討するというのも一案です。

最後に:住宅ローンで計画を破綻させないために

最後に一つだけ、とても重要な警告があります。ここまでの完璧な教育費プランも、住宅ローンの組み方を間違えてしまうと、一気に破綻してしまいます。

銀行は、あなたの年収の8〜10倍もの金額まで貸してくれます。しかし、お子さんがまだ小さい時期に、「今の家計なら、このくらいなら払えるかな…」といった感覚で限度額いっぱいのローンを組んでしまうと、どうなるでしょうか?子供が小学生・中学生・高校生と成長し、出費が跳ね上がったタイミングで、計画は破綻するかもしれません。

順番を間違えないでください。まず、子供の教育費をどうやって準備するのか、極めて具体的な見通しを立ててください。その上で、住宅ローンをいくらまで組んでも良いのかを考えるのが大切です。

家(ハコ)よりも先に、子供の未来(教育費)を確保する。この順番さえ守れば、あなたの家計プランは盤石です。

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この記事を書いた人

教育資金デザインラボ代表。元日系投資銀行(IBD)出身のFP兼宅建士。
「お金の世界は嘘ばかり」という信念のもと、ポジショントークを排除した『数字に基づく資産形成術』を発信中。早大理工・英国大学院修了。都内で2児(2歳・0歳)を育てるパパ経営者。

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