【新NISA】労働だけでは詰む。ピケティが証明した残酷な真実

「新NISA、結局どこに投資すればいいの?」「投資なんてギャンブルでしょ? 汗水垂らして働くのが一番尊いんじゃないの?」

投資を始めようとすると、こうした迷いや精神論が邪魔をします。

しかし、教育資金デザインラボとしての結論は揺らぎません。「世界株式インデックス(オルカン)」一択です。その理由は、老後資金や教育費といった目先の問題以前に、資本主義というゲームの根源的なルールにあります。

今回は、現代最高の経済学者トマ・ピケティが証明した『 r > g 』という残酷な数式を使って、オルカンこそが、一般庶民が資本主義をハックする唯一の手段である理由を論理的に解説します。

目次

200年のデータが証明した「努力が報われない理由」

「一生懸命働けば、いつか豊かになれる」

私たちは親や学校からそう教わってきました。しかし、現代社会では、どんなに働いても生活が楽にならない感覚がありませんか?

それは気のせいではありません。

フランスの経済学者トマ・ピケティは、著書『21世紀の資本』の中で、労働だけでは絶対に豊かになれないという事実を、過去200年以上・20カ国以上の膨大なデータから証明してしまいました。

彼は、フランス革命以前のボロボロの記録まで遡り、執念深くデータを分析しました。その結果、戦争や恐慌などの一時的な例外を除き、人類の歴史において常に成立していた「ある不等式」を発見しました。

それが『 r > g 』という不等式です。

この数式は、「資本主義が発展すれば、いずれ富は分配される」という希望的観測を、「いや、歴史上そんなことは一度も起きなかったし、今後も起きない」とデータで完全に否定したのです。

r > g の正体:労働者(g)は資本家(r)に絶対に勝てない

この数式が意味するものは極めてシンプルです。

  • g(Growth):経済成長率(=あなたの給料の上昇率)
    • 私たちが汗水垂らして働き、経済を成長させるスピード。歴史的に年1〜2%程度。
  • r(Return):資本収益率(=投資による利回り)
    • 株や不動産などの資産が、勝手に増えていくスピード。歴史的に年4〜5%程度。

結論:「r(お金が増える速度)」は、「g(給料が増える速度)」よりも常に速い。

例えるなら、「労働者(g)」は自分の足で必死に走るランナーですが、「資本家(r)」は高速エスカレーターに乗っています。どれだけランナーが努力して走っても、エスカレーターの速度には勝てません。時間が経てば経つほど、両者の差は絶望的なまでに開いていきます。

これが、私たちが「労働(貯金)」だけでは豊かになれない、数学的な証明です。

最適解:「地球まるごと」の 「r」 を手に入れる

では、この無理ゲー(資本主義)をどう攻略すればいいのでしょうか?

答えは一つ。私たちも「エスカレーター(r)」に片足を乗せるしかありません。つまり、労働収入を株式に変えて、資本家側に回るのです。

そのための最強のツールが、「世界株式インデックス(オルカン)」です。

オルカンを買うということは、特定の国や企業に賭けることではありません。世界中の資本主義市場そのものを丸ごと購入し、世界平均の 「r」(年4〜5%以上の成長)を享受する権利を手に入れることです。

世界経済が成長し続ける限り、あなたの資産も自動的に、給料(g)以上のスピードで増え続けます。これこそが、ピケティの理論に対する唯一の対抗策です。

【補足】「米国株(S&P500)」ではダメなのか?

「世界平均じゃなくて、最強の国(アメリカ)に集中投資した方が儲かるのでは?」という意見もあります。 これについては、非常に重要な論点となるため、以下の記事で徹底的に比較・解説しています。なぜ当サイトが米国一本足打法を推奨しないのか、その理由を知りたい方は合わせてご覧ください。

オルカンとは「地球というカジノ」のオーナー権である

オルカンの本質を、もっと分かりやすく例えましょう。資本主義経済を「カジノ」だと思ってください。

【個別株投資】

「どの企業が勝つか?」にお金を賭ける行為です。当たればデカいですが、外せば退場です。

【世界株式インデックス(オルカン)】

「カジノの経営権(胴元)」を買う行為です。

カジノの中で誰が勝とうが負けようが、カジノ全体(世界経済)としては、参加料や手数料で利益が出続けます。オルカンを買うということは、地球上の資本主義市場全体から上がる収益(r)を、まるごと平均点として受け取る権利を買うことなのです。

世界中の誰かがiPhoneを買い、誰かがトヨタ車に乗り、誰かがコカ・コーラを飲む。その経済活動のすべてが、巡り巡ってあなたの「オルカン」の価値(r)を押し上げます。

特定の勝者を予想する必要すらありません。ただ「市場」を持っていればいいのです。

結論:労働(g)を続けながら、資本(r)を持つ

ピケティの理論は残酷ですが、私たちに明確な「答え」も与えてくれました。

それは、「労働者(g)でありながら、同時に資本家(r)になれ」ということです。

  1. 仕事(g): しっかり働いて、種銭(投資元本)を稼ぐ。
  2. 新NISA(r): 稼いだお金で「オルカン」を買って、資本側のエスカレーターに乗せる。

この二刀流(ハイブリッド戦略)だけが、一般庶民が資産格差を乗り越え、教育資金という莫大なコストを賄うための唯一の解です。

市場暴落のニュースが流れるたびに、「投資なんてしなきゃよかった」と思う日が来るかもしれません。

その時は、この 『 r > g 』 を思い出してください。

「200年前から、戦争があろうが疫病があろうが、結局 r は g を上回り続けてきた」「自分は今、オルカンを通じて、その強靭な『資本の側』に立っている」

この確信さえあれば、一時的なマイナスに動じることなく、静かに積立を続けることができるはずです。新NISAとオルカンは、あなたが子供たちのために用意できる、資本家側への片道切符なのです。

以上、ピケティの理論の説明でした。私たちが投資をする理由は、子供に資本家側に行ってほしいからです。ならば、子供自身にも投資家になってもらいましょう。次の記事では、お小遣いで始められる、究極の金融教育を紹介します。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

教育資金デザインラボ代表。元日系投資銀行(IBD)出身のFP兼宅建士。
「お金の世界は嘘ばかり」という信念のもと、ポジショントークを排除した『数字に基づく資産形成術』を発信中。早大理工・英国大学院修了。都内で2児(2歳・0歳)を育てるパパ経営者。

コメント

コメントする

目次