【新NISA】失敗原因の9割は暴落ではない。最大の敵はスケベ心

「インデックス投資(世界株インデックスやS&P500)の積立が一番の正解であることは知っているのに…」

賢明なあなたなら、もう頭では理解しているはずです。しかし、証券会社のデータによれば、個人投資家の平均保有期間は驚くほど短いのが実情です。多くの人が15年以上持つべきと頭では分かっていながら、実際には数ヶ月、ひどい場合はわずか数日、数週間で手放してしまいます。数年ホールドできる人ですら、実は少数派なのです。

なぜでしょうか?その原因のほとんどは「暴落が怖いから」ではありません。 真犯人は、退屈と、そこから生まれるスケベ心(欲)です。

今回は、9割以上の人が陥ると言われている、2つの典型的なメンタル崩壊パターンをシミュレーションします。これは、明日のあなたかもしれません。

目次

【閲覧注意】9割の人が陥る「メンタル崩壊」2つの実例

投資を失敗させるのは、マーケット(市場)ではなくあなた自身の心です。 よくある2つの悲劇を見てみましょう。

パターンA:暴落の恐怖と夫婦喧嘩(自滅型)

〜自分勝手な「底値待ち」で市場から退場するケース〜

  • 1年目: 教育資金のためにと、勇気を出して300万円を一括投資
  • 2年目: 〇〇ショックが発生し、株価が40%暴落。資産評価額は180万円に激減(マイナス120万円)
  • ある日の夜:「だから投資なんてやめろと言ったんだ」「定期預金にしておけば…」と夫婦喧嘩が勃発
  • 結果:毎日のように減り続ける資産に耐えられなくなり、夫婦喧嘩の末に全て売却

→ その後、株価はV字回復したが、その頃には彼らは既に投資を完全にやめていた。

【教訓】「底値」なんて誰にも分からない。恐怖で止めた瞬間、負けが確定する。

パターンB:SNSの誘惑とスケベ心(浮気型)

実は、パターンAよりも圧倒的に多いのがこちらです。

〜退屈さに耐えられず、怪しいインフルエンサーのカモにされるケース〜

  • 1年目: オルカン積立を開始。しかし相場は平穏。「年利5%?これじゃお金持ちになれない」と退屈を感じ始める
  • 2年目: X(旧Twitter)で「この銘柄で送り人!」と煽るインフルエンサーを発見
  • 3年目: 積み立てていた堅実な投資信託を解約し、SNSで話題の急騰中の個別株(または仮想通貨)に全額ツッコミ。さらに追加入金までしてしまう。
  • 4年目: その銘柄がピークアウトし大暴落。煽っていたインフルエンサーはトンズラ。

→ 一方、解約したオルカンは最高値を更新し続けている

【教訓】隣の芝生は青く見える。退屈逃れの浮気は、資産を燃やす一番の近道。

なぜ彼らは失敗したのか?(原因分析)

短期的なマーケットは誰にも読めない

パターンAの人もBの人も、共通しているのは自分でマーケットを読んで(判断して)しまったことです。

TVのニュースやSNSの「暴落予想」「爆益予想」は、ほとんど当たりません。あれはエンタメとして消費するものであり、あなたの資産運用の指針にしてはいけません。 プロでも読めない相場を、素人がスマホの情報だけで読もうとすること自体が、最大のリスクです。

特に危険な「魔の2年目」

投資を始めて2年目〜3年目は、最も警戒すべき時期です。遊びで始めた個別株の売買で利益が出て、専門用語も覚え始め、「自分には投資の才能があるかも?」と錯覚しやすい時期だからです。

この時期、スマホの中(特にX/旧Twitter)には、魔物が潜んでいます。

  • 「遂に気付かれた!ストップ高連発間違いなし!国策銘柄に乗り遅れるな!」と一斉に叫び始める仕手株集団
  • 「爆益シグナル発生!今のうちに買っておけよ。」と煽る謎のインフルエンサー

彼らの言葉は刺激的で、退屈なインデックス積立をしている自分が情弱に見えてきます。 そして、こう考えてしまうのです。

「初心者はダメだけど、今の自分ならトレンドに乗って、サッと利益を出して勝ち逃げできるはずだ」

断言します。そのお祭りに参加した瞬間、あなたはカモ(養分)になります。

SNSで話題になっている時点で、プロや仕掛け人はすでに売り抜けの準備に入っています。彼らは、価格を吊り上げるためにあなたを煽り、あなたが飛びついた(高値で買った)瞬間に、自分の持ち株をぶつけて利益確定をするのです。

お祭りが終わった後に残るのは、価値が暴落した電子ゴミと、取り返しのつかない損失だけ。「自分だけはうまくやれる」という過信こそが、悪質なインフルエンサーにとって最高の餌食であることを忘れないでください。

インデックス投資の最大の敵は退屈です。やることがなさすぎて、つい刺激(スケベ心)を求めて余計な売買をしたくなる。この衝動を抑えられるかどうかが、勝負の分かれ目です。

解決策:IQではなくルールで戦え

では、どうすればこの「スケベ心」に勝てるのでしょうか? 人間の意志力は弱いので、気合で耐えるのは不可能です。仕組み(ルール)で縛るしかありません。

強いメンタルを持つための「思考停止」戦略

最強の投資家とは誰か? それは死人(亡くなった人)口座のパスワードを忘れた人だという有名なジョークがあります。 余計な売買をしなかった人が、結果的に一番儲かっているのです。

あなたもこれに倣いましょう。毎月の積立設定(クレカ積立など)をしたら、証券会社のログインパスワードを封印してください。株価を見るのをやめましょう。ただひたすら放置する。これが最強の必勝法です。

その為にも、教育資金のためのオルカンを積み立てる新NISAの口座で、個別株を保有することは絶対に避けるべきです。新NISA専用の口座と、個別株の口座は分離しましょう。詳細は、以下の記事をご参照ください。

どうしても遊びたいなら「サテライト戦略」で

「それでも、どうしても個別株をやりたい! 流行りの銘柄を買いたい!」 そのスケベ心が抑えられないなら、ガス抜きとしてサテライト戦略を使いましょう。

  • コア(本丸):資産の90%〜95%。オルカンなどの堅実なインデックス投信。絶対に触らない。
  • サテライト(遊び)資産の5%以内(なくなっても生活に困らない範囲)

この「サテライト枠」の中だけであれば、ビットコインを買おうが、レバレッジ商品を買おうが自由です。もしゼロになっても、家計(教育資金)は無傷で済みます。大切なことは、新NISAで運用するコア資産には一切触らないでください。それが家族の未来を守る唯一の方法です。

まとめ:投資に必要なのはIQではなく忍耐力

投資の世界では、IQ160の天才物理学者が、IQ100の普通の主婦に負けることが日常的に起きます。なぜなら、投資に必要なのは高度な頭脳ではなく、退屈に耐え、ルールを守り続ける忍耐力だからです。

  • 暴落が来ても売らない。
  • 急騰株を見ても飛びつかない。
  • ただひたすら、退屈なオルカンを積み上げる。

この凡事徹底ができる人だけが、将来、豊かな人生を歩むことができると言っても過言ではありません。スケベ心が出そうになったら、またこの記事に戻ってきてください。

退屈や暴落といった心の問題はクリアしました。しかし、人生には物理的に積立ができなくなるというリスクもあります。 継続を阻む最後の壁と、その乗り越え方について解説します。

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この記事を書いた人

教育資金デザインラボ代表。元日系投資銀行(IBD)出身のFP兼宅建士。
「お金の世界は嘘ばかり」という信念のもと、ポジショントークを排除した『数字に基づく資産形成術』を発信中。早大理工・英国大学院修了。都内で2児(2歳・0歳)を育てるパパ経営者。

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