【新NISA】ライフプランは定期的に見直せ。人生は想定外だらけ

「暴落が来ても、絶対に売らないぞ!」「怪しい儲け話には乗らないぞ!」

そう固く決意しているあなた。素晴らしいメンタルです。しかし、積立投資がストップする原因は、あなたの心(メンタル)の問題だけではありません。

もっとシンプルで、誰にでも起こる理由。それは、お金がなくなって、積み立てたくても続けられなくなるという現実です。

長い人生、何が起こるか分かりません。会社の業績悪化でボーナスがカットされたり、親の介護が突然始まったり、自分自身が病気で働けなくなったり…。こうした想定外のトラブルは、長い人生の中では当たり前のように起こります。

どれだけ完璧なシミュレーションを作っても、人生はエクセルの表の通りには進みません。今回は、人生の「想定外」との付き合い方について解説します。

目次

最大の敵は暴落でもスケベ心でもない

資産形成の目標を達成できないのは、大きく分けて2つのパターンがあります。

自滅タイプ(メンタル敗北)

  • お金はあるのに、暴落の恐怖や、もっと儲けたいという欲に負けて、自分からルールを破ってしまうこと
  • これは、勉強と規律で防げます(※詳細は、以下の記事をご参照ください)

強制終了タイプ(資金ショート)

  • ライフプランが大きく変化して、投資どころではなくなる状態のこと
  • → 今回のテーマはこれです

実は、長期投資において本当に怖いのは後者です。これは「今の平穏な生活(健康や収入)が、この先もずっと続く」という前提でライフプランを組んでいる全ての人に当てはまるリスクです。

今の収支をベースとして完璧な計画を立てても、それはあくまで現時点でのプランに過ぎません。10年、20年という長い時間の中では、前提条件が良い方向にも悪い方向にも変化していくのが当たり前です。

積立の継続が奇跡である理由

なぜ、多くの人が自分は大丈夫と思ってしまうのでしょうか。それは、私たちが「人生は計画通りに進む」と信じすぎているからです。しかし、現実はもっと過酷です。

人生には、予測不能なアクシデントが必ず起こります。

10年20年の間には、大病をしたり、身近な人の死に遭遇したり、職を変わったり、事業を起こして失敗したり、いろいろなことが出てきます。大金が急にいる時も出てくるでしょう。

その時でも、「感情を排して、積立を続ける」という行動を取り続けられるか? これは、はっきり言って100人に1人も実行できないのではないか、と思えるほど難しいことです。

これが、長期投資のリアルです。「暴落に耐える」ことよりも、「日常の荒波の中で、毎月の入金を絶やさない」ことの方が、はるかに難易度が高いのです。

「死ぬこと」よりも「生き続けること」のリスク

アクシデントの中で、最も極端なケースは死亡リスク(一家の大黒柱が亡くなること)です。 しかし、実はこれは対策が簡単なリスクでもあります。なぜなら、教育資金デザインラボが推奨している収入保障保険に入れば、経済的な穴埋めはできるからです(※詳細は以下の記事をご参照ください)。

本当に恐ろしいのは、保険ではカバーできない生きていくリスクの方です。

  • 優良企業に勤めていたはずが、突然倒産した
  • 人員整理で解雇され、再就職先で年収が激減した

こうした生きてはいるが、収入が途絶える(減る)という想定外のケースには、有効な対策がほとんどありません。だからこそ、ここを気合や楽観で乗り切ろうとするのではなく、定期的な見直し(修正)で乗り切る必要があるのです。

綺麗な「キャッシュフロー表」はファンタジー

将来の経済的なライフプランを考えて、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談すると、綺麗な右肩上がりの「ライフプラン・シミュレーション(キャッシュフロー表)」を作ってくれます。

  • 「年収は毎年2%上昇」
  • 「支出はインフレ率に合わせて推移」
  • 「60歳で退職金が2,000万円」

上記のような前提条件をベースとしたシミュレーションを受け取ったら、一見、安心できるように見えるかもしれません。しかし、ハッキリ言います。あんなものは、現実にはほとんど役に立ちません(参考にはなりますが)。

なぜなら、あの表は「人生に何も起こらない(凪の状態)」を前提とした、実験室の中のデータに過ぎないからです。 実際の人生では、シミュレーションにはない想定外の落とし穴が次々と現れます。

シミュレーションを狂わせる「よくある落とし穴」

① 小1の壁(学童問題):公立学童に入れず、月額5〜10万円の民間学童を利用することになり、年間100万円近い出費増。

② 進路の変更:子供が突然「医学部に行きたい」「留学したい」と言い出した(あるいは浪人した)

③ 親の介護:想定より10年早く介護が始まり、時短勤務や退職を余儀なくされた

これらは、Excelの表には出てきません。しかし、現実には誰にでも当たり前のように起こります。「シミュレーションで足りているから大丈夫」と過信するのは本当に危ういということを理解して頂きたいと思います。

解決策:年に1回「家族の決算日」を作ろう

では、どうすればいいのか? 答えはシンプルです。「計画は狂うもの」という前提で、定期的に書き直せばいいのです。

おすすめなのは、年に1回、「我が家の決算日」を決めることです。いつでも構いません。堅苦しい会議ではなく、夫婦でお酒でも飲みながら、ざっくりと確認し合うだけで十分です。

  1. 答え合わせ:去年はいくら貯まった? 想定より出費が多かった原因は?
  2. 未来予測:来年はどんなイベントがある?(入学、車検、旅行など)
  3. 軌道修正:積立額はこのままで大丈夫? 少し減らして現金を厚くする?

たったこれだけです。重要なのは、一度決めた積立額を死守することではなく、状況に合わせて柔軟に変えることです。

生活が苦しい時は、迷わず積立額を減らしてください。それは失敗ではありません。長く相場に居続けるための、賢い生存戦略です。

まとめ:最強の生存戦略は「軌道修正」

新NISAのシミュレーション結果を見て、「よし、これで老後まで安泰だ」と安心するのはまだ早いです。そのシミュレーションは、今日の時点での天気予報に過ぎません。明日、大雨(病気や失業)が降るかもしれません。

「ライフプランは、一度作って終わりではない。毎年捨てて、作り直すものだ」

この柔軟な姿勢こそが、想定外だらけの人生をサバイブし、積立投資という長い航海をゴールへ辿り着くための、唯一の生存戦略なのです。

これで積立期間を乗り切る準備は整いました。 最後は、いよいよ「出口(売却)」の話です。 大学入学時に大暴落が来ていたらどうするか? 資産を守りながら学費を払う「防御バケツ」の作り方を伝授します。

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この記事を書いた人

教育資金デザインラボ代表。元日系投資銀行(IBD)出身のFP兼宅建士。
「お金の世界は嘘ばかり」という信念のもと、ポジショントークを排除した『数字に基づく資産形成術』を発信中。早大理工・英国大学院修了。都内で2児(2歳・0歳)を育てるパパ経営者。

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