【警告】高配当株と学資保険に浮気するな。教育費を溶かす甘い罠

「オルカン積立が正解なのはわかった。でも、配当金がもらえる高配当株のほうが魅力的じゃない?」「学資保険なら元本保証だし、年末調整で税金も戻ってくるらしいよ?」

積立投資に慣れてくると、必ずこうした浮気心が芽生えます。 配当金は魅力的ですし、保険の営業マンの「節税になりますよ」という言葉は甘美です。

しかし、当ラボは断言します。「絶対に失敗できない教育資金」を作るという目的において、これらにメインの資金を投じるのは完全な悪手です。

今回は、一見魅力的に見える高配当株や学資保険が、なぜあなたの教育資金作りにおいては「足かせ」になってしまうのか。 メディアが伝えない「不都合な真実(NISA枠の浪費とインフレの罠)」を解説します。

目次

誘惑その①:高配当株という穴の空いたバケツ

まず、高配当株投資です。「増配を続ける優良企業」への投資は、老後の自分年金作り(配当金生活)としては素晴らしい戦略です。否定はしません。

しかし、「18年後の大学費用」を作る手段としては不向きです。理由は2つあります。

減配と暴落のダブルパンチ

どれだけ過去の実績が良くても、個別株には常に業績悪化のリスクがつきまといます。 もし、保有している高配当株が減配(配当を減らす)を発表したらどうなるか?

  1. 配当が減る(もらえる現金が減る)
  2. 失望売りで株価が暴落する(資産価値も減る)

この往復ビンタを食らいます。 オルカン(全世界株式)なら、1社が倒産しても全体への影響は誤差(0.0…%)ですが、個別株に集中投資していた場合、資産が半減する可能性すらあります。 納期が決まっている教育資金で、このギャンブルをする必要はありません。

NISAの「非課税枠」を浪費してしまう

「NISAなら配当金も非課税だからいいでしょ?」 そう思うかもしれませんが、ここには再投資の罠があります。

教育資金作りは、利益を再投資して雪だるま式に増やす複利のゲームです。

  • オルカン(投資信託)
    • 配当が出ても、ファンド内部で勝手に再投資されます。
    • あなたの「NISA投資枠」は消費されません。
  • 高配当株
    • 配当金(現金)として一度外に出てしまいます。
    • これを再投資して複利効果を得ようとすると、「新しいNISA枠」を使って買い直す必要があります。

新NISAの生涯投資枠(1,800万円)は貴重です。 内部で勝手に増えてくれるオルカンに対し、高配当株は再投資のたびに枠を食いつぶしてしまうため、最終的な資産効率(ゴールの金額)で劣ります。今のお小遣いではなく未来の学費を作るなら、バケツから水(配当)を出してはいけません。

誘惑その②:学資保険という名の定期預金

次に、学資保険です。「元本割れしない」「節税になる」という殺し文句で、多くの親御さんが加入してしまいますが、ここにも大きな罠があります。

最大の問題はインフレ(物価上昇)に負けることです。18年間資金をロック(拘束)されて、戻ってくるお金が「払った額+ほんの少し」だとしたら、物価が上がった分だけ実質的な価値は目減りしています。

リスクを取らないことが、逆に「価値が減る」というリスクを招いているのです。

「節税メリット」の正体は、わずか数千円

「でも、生命保険料控除で税金が安くなるでしょ?」 そう反論したくなるかもしれません。しかし、その額を計算したことがありますか?

一般生命保険料控除の上限は決まっており、多くのサラリーマン家庭で安くなる税金(所得税+住民税)は、せいぜい「年間4,000円〜6,000円程度」です。

年間数千円の節税のために、18年間も資金を拘束され、利回りの低い商品にお金を塩漬けにする。これはお得ではなく、巨大な機会損失です。その資金をNISAで運用していれば、数千円どころか、数十万円以上の利益を生んでいた可能性があるからです。

コラム:なぜメディアは「学資保険」を勧めるのか?

答えはシンプル。「広告費(スポンサー料)」です。 「オルカンがいいですよ」と言っても金融機関は儲かりませんが、「保険がいいですよ」と言えば手数料が入ります。 ネット上の「おすすめランキング」は、「(売り手が)売りたいランキング」であることを忘れないでください。

なお、学資保険の問題に関しては、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。

結論:教育資金は退屈に耐えた者だけが勝つ

高配当株の「楽しさ(配当・優待)」も、学資保険の「安心感(元本保証)」も、あくまで親の感情を満たすためのものです。 子供のための資金を最大化するという結果には貢献しません。

教育資金作りは、F1レースのようなものです。ゴール(大学入学)は決まっています。

  • オルカン: 多少揺れるが、最高速度(非課税・複利)で一直線に走るマシン
  • 高配当株: 景色を楽しむために、いちいちピットイン(配当受取・枠消費)を繰り返すマシン
  • 学資保険: 安全運転すぎて、制限時間に間に合わない軽自動車

あなたが選ぶべきはどれでしょうか? 答えは明白です。「退屈なオルカンを、ただ黙って積み立てる」。 このつまらない行動こそが、子供の未来への最短ルートなのです。

さて、ここまで「オルカン一択」と解説してきましたが、一つだけ疑問が残りませんか? 「世界株(オルカン)と言っても、中身の6割はアメリカでしょ? だったら、最初から最強の米国株(S&P500)一本にしたほうが儲かるんじゃない?」

この「米国株 vs 全世界株」論争に、次の記事で完全な決着をつけます。

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この記事を書いた人

教育資金デザインラボ代表。元日系投資銀行(IBD)出身のFP兼宅建士。
「お金の世界は嘘ばかり」という信念のもと、ポジショントークを排除した『数字に基づく資産形成術』を発信中。早大理工・英国大学院修了。都内で2児(2歳・0歳)を育てるパパ経営者。

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