「過去の実績を見たら、オルカンより米国株(S&P500)の方がリターンが高いじゃん」 「これからはアメリカ一強の時代でしょ?」
投資を始めると、必ずと言っていいほどS&P500(米国株)こそが最強だ!という意見が大量にSNSで出てきます。 確かに直近10年を見れば、米国株は最強でした。しかし、私たちが勝負するのは「過去の10年」ではなく「未来の18年」です。
結論から言います。 教育資金という「絶対に失敗できないお金」を作るにおいて、特定の国(アメリカ)だけに全財産を賭けるのは、あまりにリスキーなギャンブルです。
今回は、なぜ当サイトが「S&P500」ではなく「オルカン(全世界株式インデックス)」を強く推奨するのか。その決定的な理由を解説します。
1. 「勝者」は15年周期で入れ替わる
最近のSNSでは、S&P500(米国株インデックス)だけで十分!と主張しているケースは本当に多いです。そして、それは決して間違ってはいません。ただ、ほとんどの人は、投資を始めて数年間のキャリアでたまたま財産を築いた人たちで、彼らは長い歴史のことを何も知らないケースが多いのです。
「アメリカはずっと最強だった」というのは、ここ最近の記憶バイアスに過ぎません。 歴史を振り返ると、株式市場の覇権国(リターンNo.1の国)は、約15年〜20年の周期でグルグルと入れ替わっています。
- 1980年代: 日本株が最強(時価総額ランキング上位を日本が独占)。
- 2000年代: 新興国株が最強(BRICsブーム)。米国株は「暗黒の時代」と呼ばれ低迷。
- 2010年代: 米国株(GAFAM)が最強。
さて、今後の10年、20年、どこの国が勝つでしょうか? 「アメリカだ」と言い切れる人は、予言者か、歴史を知らない人だけです。未来のことなんて誰にも分かりません。もし次のサイクルでアメリカの凋落が起こっていった場合、S&P500だけに賭けていた資産は、相対的に大きく凹むことになります。
2. オルカンは「自動追尾ミサイル」である

私たちが推奨する「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」の最大の強みは、**「勝手に中身を入れ替えてくれる(リバランス)」**機能にあります。
オルカンは、その時点での「世界の時価総額の比率」に合わせて、自動的に投資配分を調整します。
- 現在: アメリカが強いので、中身の約60%はアメリカ株。
- もし10年後: アメリカが没落し、インドが台頭したら?
- → 自動的にアメリカ株を売り、インド株の比率を高めてくれます。
つまり、オルカンを持っているということは、**「どの国が勝っても、常に勝ち馬に乗り続けられるチケット」**を持っているのと同じです。 私たちは、どこの国が勝つかを予想する必要はありません。誰が勝っても、その果実を受け取ることができるのです。
3. 「米国株一本足打法」は賭けである
一方で「S&P500」を買うということは、**「今後18年間、アメリカが世界最強であり続けること」**に全財産をベッドする行為です。
もちろん、その賭けが当たる可能性はあります。当たれば、オルカンより高いリターンが得られるでしょう。 しかし、教育資金作りにおいて重要なのは「最大リターンを狙うこと」でしょうか? 違います。**「目標金額(例:2,400万円)に到達できないリスクを可能な限り消すこと」**です。
教育資金の準備において重要なことは、勝つことではありません。負けないこと、ただそれだけなのです。
もしアメリカがコケたら教育費が足りなくなる。 そんなシナリオは許されません。 「アメリカが繁栄しても、アメリカ以外が繁栄しても、合格点(平均点)を出せる」。この負けない構造こそが、オルカンの真価です。
4. 悩む時間がもったいない

そしてもう一つ、実務的なメリットがあります。 オルカンを選べば、**「投資のニュースを見る必要」**がなくなります。
- S&P500保有者:「大統領選はどうなる? 利上げは? ドル安は?」と毎日ハラハラします。
- オルカン保有者:「世界経済全体で見れば長期的には成長するでしょ」と、アメリカのニュースも他人事のようにスルーできます。
10年や20年のスパンで考えて、余計なノイズに心を乱されずに仕事や子育てに集中できる。 この**「精神的なコストの安さ」**も、オルカンを選ぶ大きな理由です。
まとめ:特定の国と心中するな
あなたは、お子様の教育資金を、アメリカ一国と心中させる覚悟がありますか?
- S&P500: 「アメリカが勝つ」に賭けるアクティブ運用。
- オルカン: 「世界の資本主義が続く」に賭けるパッシブ運用。
当サイトの結論は揺るぎません。 予測不可能な18年後の未来において、私たちを確実にゴールへ運んでくれるのは、特定の国旗ではなく**「地球儀」**です。 迷わずオルカンを積み立て続けてください。

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