【結論】S&P500かオルカンどっち?米国株一本はギャンブルだ

「過去のリターンを見れば、オルカンより米国株(S&P500)のほうが優秀じゃん」「これからはAIの時代。アメリカ一強は変わらないでしょ?」

投資を始めると、必ずこの米国株最強論に遭遇します。数字を見れば、確かに直近10年は米国株の圧勝でした。「オルカンなんて混ぜ物をするより、米国株100%のほうが効率的だ」という意見には、一見すると説得力があります。

しかし、教育資金デザインラボとしての結論は、「No」です。

「絶対に失敗できない教育資金」を作るというミッションにおいて、特定の国(アメリカ)だけに全財産を賭けるのは、確率論的に見てあまりにリスキーなギャンブルだからです。 今回は、なぜ私たちが「S&P500」ではなく、あえてリターンの劣る (ように見える)「オルカン」を強く推奨するのか。その決定的な理由を解説します。

目次

「勝者」は15年周期で入れ替わる

「アメリカはずっと最強だった」と思っていませんか? それは、ここ最近のニュースしか見ていない直近バイアスに過ぎません。

歴史という長い物差しで見ると、株式市場の覇権国(リターンNo.1の国)は、驚くほど綺麗に約15年〜20年の周期で入れ替わっています。

  • 1980年代:日本株が最強 (時価総額ランキング上位を日本企業が独占。ジャパン・アズ・ナンバーワンと世界が信じていた)
  • 2000年代:新興国株が最強 (ITバブル崩壊後、米国株は「暗黒の時代」と呼ばれ低迷。BRICsがもてはやされた)
  • 2010年代:米国株が最強 (GAFAMの台頭により、アメリカの独壇場となった)

さて、これからの15年、20年は誰の時代でしょうか?「次もアメリカだ」と言い切れる人は、予言者か、歴史を知らない人だけです。もし次のサイクルで「ドルの覇権」が揺らぎ、アメリカが低迷期に入った場合、S&P500だけにフルベットしていたあなたの教育資金は、逃げ場を失います。

オルカンの正体は自動追尾ミサイルである

教育資金デザインラボが推奨する世界株式インデックス(オルカン)の真の価値は、世界中に分散されていることではありません。新陳代謝(リバランス)機能がついていることです。

オルカンは、その時点での世界の時価総額の比率に合わせて、自動的に投資配分を調整し続けてくれます。

  • 現在: アメリカが強いので、ポートフォリオの約60%はアメリカ株。
  • もし10年後: アメリカが没落し、インドが台頭したら? → 自動的にアメリカ株の比率を下げて、インド株の比率を高めてくれます。

つまり、オルカンを持っているということは、どの国が勝っても、常に勝ち馬に乗り続けられる『自動追尾ミサイル』のスイッチを持っているのと同じです。私たちは、未来を予想する必要はありません。誰が勝っても、その果実を自動的に受け取ることができるのです。

よくある反論:「米国企業もグローバルでしょ?」への回答

ここで、S&P500派の人からよくある反論があります。「Appleもコカ・コーラも世界中で稼いでいる。だからS&P500を買えば、実質的に世界分散しているのと同じだ」

この理屈は半分正解ですが、致命的なリスクを見落としています。 それは、通貨と政治のリスクです。

いくら売上がグローバルでも、S&P500企業はアメリカの法律と米ドルに縛られています。

  • もしアメリカ政府が、巨大IT企業を解体する法律を作ったら?
  • もしアメリカの財政が悪化して、急激な「ドル安」になったら?

S&P500(100%米国)を持っている人は、資産価値が直撃を受けます。 一方、オルカンを持っていれば、トヨタ(円)やLVMH(ユーロ)、TSMC(台湾ドル)などがクッションとなり、ダメージを吸収してくれます。

「教育資金」という絶対に守りたいお金で、アメリカ一国の政治や通貨と心中する必要はないのです。

【補足】すでにS&P500を買っている人は、そのままでいい

ここまでオルカン推奨を強く語ってきましたが、一つ重要な補足があります。「じゃあ、すでにS&P500で積立を始めている私は、今すぐ売ってオルカンに買い直すべき?」

結論から言えば、今ある資産を売る必要はありません。 オルカンの中身も約60%はS&P500採用企業であり、両者の値動きは非常に似ている(相関係数0.9以上)ため、大きな問題ではないからです。

今後の選択肢として、以下の2つのどちらも正解です。

  1. そのまま継続する(一本化): 管理が楽です。米国経済を信じて、そのまま走り抜けても良いでしょう。
  2. これから積み立てる分だけ切り替える(ハイブリッド):今持っているS&P500はそのまま運用を続け、来月からの積立設定だけをオルカンに変更するのも非常に賢い戦略です。 これなら、資産を売却することなく、徐々にポートフォリオ全体を世界分散に近づけていくことができます。

一番やってはいけないのは、迷ってコロコロ方針を変えたり、暴落時に怖くなって積立を止めてしまうことです。 あなたの性格に合った方法で、長く続けることを最優先してください。

思考停止のすすめ:ニュースを見ない生活を手に入れろ

そしてもう一つ、見落とされがちなメリットがあります。 オルカンを選べば、投資のニュースを見る必要がなくなります。

【オルカン保有者】

「まあ、世界経済全体で見れば長期的には成長するでしょ」と、どこの国で何が起きても他人事のようにスルーできます。

S&P500保有者】

「大統領選はどうなる? 利上げは? 円高ドル安が進んだら?」と、アメリカのニュースにハラハラさせられます。

10年、20年という長いマラソンにおいて、余計なノイズに心を乱されずに仕事や子育てに集中できる。この精神的コストの安さ(平穏)も、忙しい子育て世代がオルカンを選ぶべき大きな理由です。

まとめ:特定の国と心中するな

あなたは、お子様の教育資金を、アメリカ一国と心中させる覚悟がありますか?

  • S&P500: 「アメリカが勝ち続ける」に賭けるアクティブ運用。
  • オルカン: 「世界の資本主義が続く」に賭けるパッシブ運用。

教育資金デザインラボの結論は揺るぎません。予測不可能な18年後の未来において、私たちを確実にゴールへ運んでくれるのは、世界株式インデックスです。 迷わずオルカンを積み立て続けてください。

買うべき商品が決まったら、次は、どれくらい増えるか(利回り)の計算で。 ここで年利7%と皮算用するシミュレーションは危険です。プロが設定する4%の根拠を知ってください。

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この記事を書いた人

教育資金デザインラボ代表。元日系投資銀行(IBD)出身のFP兼宅建士。
「お金の世界は嘘ばかり」という信念のもと、ポジショントークを排除した『数字に基づく資産形成術』を発信中。早大理工・英国大学院修了。都内で2児(2歳・0歳)を育てるパパ経営者。

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