「子供は小さくてもお金がかかる」
そう思っていませんか?
実は、当サイトのモデルケース(年収900万円・都内4人家族)において、子供が0歳〜6歳(未就学児)の期間は、**「人生で最もお金が貯まるボーナスタイム」**です。
シミュレーション上、この時期は**毎月きっかり15万円以上ものお金が「余る」**状態になります。
しかし、多くの家庭がこの事実に気づかず、「育児にはお金がかかるから仕方ない」とドンブリ勘定になり、気がつくとお金が消えています。
なぜお金が余るのか。そして、そのお金はどこへ消えてしまうのか。
この時期特有の「家計の正体」を暴きます。
なぜ「月15万円」も浮くのか?(収入と支出のズレ)
この0歳〜6歳という期間だけ、収入が増えて支出が減るという、家計の「バグ」のような現象が発生しています。数字で見てみましょう。
1. 収入の増加(手当の壁)
給与明細だけを見ていては気づきませんが、この時期は「給与外収入」が最大化します。
- 児童手当(国): 月20,000円(1万円 × 2人)
- 018サポート(都): 月10,000円(5,000円 × 2人)
合計月30,000円が、働かずして振り込まれます。
年間で36万円。小学校入学までの6年間で200万円以上。
これは「生活費」の足しにするための小銭ではなく、国から預かっている「巨額の資本」です。
2. 支出の減少(無償化の恩恵)
一方、出ていくお金も最低水準です。
- 保育料・幼稚園代: 3歳以降は国の制度で実質0円です。
- 教育費の実費: かかるのは軽い習い事(スイミング等)程度。月2万円程度で収まります。
【結論】リアルな月次収支シミュレーション
言葉で説明するより、数字を見ていただいた方が早いでしょう。
当サイトのモデルケース(年収900万・都内賃貸・車なし)の家計簿です。
| 項目 | 金額 | 内訳・詳細 |
| 【収入】合計 | 510,000円 | |
| 給与手取り | 450,000円 | 夫婦合算(夫27万+妻18万) |
| 児童手当(国) | 20,000円 | 1万円×2人(非課税) |
| 018サポート(都) | 10,000円 | 5,000円×2人(都民限定) |
| ボーナス補填 | 30,000円 | ボーナス手取りの30%を月割り |
| 【支出】合計 | 360,000円 | バッファー増額で安全性UP |
| (A) 固定費 | 190,000円 | |
| 家賃(管理費込) | 150,000円 | 更新料積立含む・都内標準 |
| 光熱・通信・保険 | 40,000円 | 余裕を持たせた安全設定 |
| (B) 生活変動費 | 130,000円 | |
| 食費・日用品 | 80,000円 | 無理のない自炊・外食予算を確保 |
| 小遣い・被服 | 40,000円 | 夫婦小遣い・被服費(要節約) |
| (C) 教育費 | 20,000円 | |
| 習い事など | 20,000円 | スイミングや通信教育など |
| (D) バッファー | 30,000円 | 予備費(iDeCoや習い事、レジャー費用など) |
| 【月次収支】 | + 150,000円 | ★全額をオルカン積立へ |
ご覧の通り、カツカツの節約生活をしているわけではありません。
**「家賃15万円」のマンションに住み、食費や小遣いもしっかり確保しています。
さらに、「月3万円のバッファー(iDeCoや習い事、レジャー費用など)」**まで計上した上で、毎月15万円が余る計算になるのです。
最大の敵は「ライフスタイル・インフレーション」
「毎月15万も余ってる感覚なんてないよ!」
そう思ったあなたは、すでに罠にはまっています。
この時期の最大の敵は、子供にかかるお金ではありません。
気が大きくなった親の**「生活水準の上昇(ライフスタイル・インフレーション)」**です。
よくある「消えゆくお金」の行方
- 広い家への引っ越し
- 家賃15万から18万〜20万の広い部屋へ引っ越してしまうと、この黒字は一瞬で吹き飛びます。
- 車の購入
- 週末のお出かけ用に車を買うと、ローンと維持費で月5〜7万円が消えます。
- 無計画なレジャー
- バッファー(3万円)の範囲内ならOKですが、それを超えて毎週末アウトレットで散財していませんか?
このボーナスタイムに発生した「あぶく銭(15万円)」を、「今の生活を豊かにするため」に使い切ってしまう。
これが、将来の教育費破綻を招く最も典型的なパターンです。
この黒字は「未来への前借り」である
はっきり言います。この15万円は、あなたの給料でもボーナスでもありません。
**「将来(中高生時代)に発生する赤字を埋めるために、タイムマシンで送られてきたお金」**です。
当サイトの試算では、私立中高一貫校に通う時期の収支は以下のようになります。
- 0-6歳(現在): + 150,000円(黒字)
- 12-18歳(中高): ▲ 80,000円(赤字)
今の黒字を使わずにプールしておけば、将来の赤字は相殺できます。
しかし、今使ってしまうと、中高生になった時に手元に残るのは**「月8万円の赤字」と「下げられない高い生活水準」**だけです。
まとめ:その15万円、使いますか? 残しますか?
0歳〜6歳の親に課せられたミッションはただ一つ。
「生活レベルを上げず、この『月15万円の黒字』を死守すること」
これに尽きます。
今の賃貸、今の生活水準をキープしてください。通帳にお金が貯まっても、それは「ないもの」として扱ってください。
この死守した15万円(年間180万円×6年=1,080万円)は、銀行に置いておくだけではインフレに負けます。
これをどうやって「増やす」のか。
具体的な方法は、**カテゴリー「【攻略】オルカン資産形成術」にて解説する「前半15万円ブースト投資」**で明らかにします。
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