「未就学児の黒字はいつまで続く?」
「中高生の赤字は、結局トータルでいくらになる?」
これまで、お子様の成長段階ごとの家計収支を細かく見てきました。
そして前回の記事では、私たちが目指すべきゴールが**「子供2人で2,400万円」**であるという衝撃的な事実をお伝えしました。
今回は、それら全ての情報を統合し、0歳から大学卒業までの「資金の動き」を一枚の地図にまとめます。
これが、年収900万円世帯が生き残るための「完全攻略マップ」です。
【全体像】18年(+4年)の家計収支推移表
AFP認定者である管理人が設計した、都内・私立理系志望世帯の**「勝ち筋」**は以下の通りです。
| 時期 | 年齢 | 家計収支(月) | 家計の状態 |
| 第1期 | 0歳〜6歳 | <span style=”color:red; font-weight:bold;”>+ 150,000円</span> | 【攻め】ボーナスタイム 手当と無償化で資金が余る唯一の時期。 全額投資へ。 |
| 第2期 | 小学生 | <span style=”color:red; font-weight:bold;”>+ 100,000円</span> | 【攻め】継続期 黒字だが、塾代等の前払いで余裕はない。 積立継続。 |
| 第3期 | 中高生 | <span style=”color:blue; font-weight:bold;”>▲ 80,000円</span> | 【守り】耐える時期 授業料・食費・予備校代で赤字転落。 資産を取り崩して凌ぐ。 |
| 第4期 | 大学生 | <span style=”color:red; font-weight:bold;”>+ 100,000円</span> | 【復活】老後資金タイム 教育費は「資産」から一括払い。 浮いた家計で親の老後資金を作る。 |
構造的な「勝利の方程式」
ポイントは、**「12歳」と「18歳」**の2つの転換点です。
- 前半(0-12歳): 徹底的に貯めて、資産を最大化する。
- 中盤(12-18歳): 月8万円の赤字を、資産を取り崩して乗り切る。
- 後半(18-22歳): 学費支払いを終え、復活した家計で「老後」に備える。
【最終検証】私たちのプランで「2,400万円」は払えるか?
前回の記事で算出した通り、理系大学(院卒・自宅)には2,400万円が必要です。
当サイトで推奨するロードマップ(0-6歳月15万積立 → 中高月8万取り崩し)を、保守的な**年利4%**で運用した場合、この金額を用意できるのでしょうか?
シミュレーション結果は以下の通りです。
- 18歳時点の資産残高: 約 2,728万円
判定:ギリギリ「合格」です
- 準備できるお金: 2,728万円
- 出ていくお金: 2,400万円
- 【手元に残るお金】: 約 300万円
なんとか足りました。
中高6年間の赤字を資産で補填し続け、さらに大学費用をフルスペック(院まで)支払っても、約300万円が手元に残ります。
もし、子供が大学院に行かなければ、予備費の400万円(2人分)も手元に残るため、さらに余裕が生まれます。
大逆転の「老後資金」戦略
「残りが300万円だけじゃ、親の老後が不安…」
そう思った方、ご安心ください。ここからがこのプランの真骨頂です。
大学入学後、学費や子供への小遣いはすべて**「作った資産(2,728万円)」**から支払います。
つまり、毎月の給料から教育費を出す必要がなくなります。
すると、中高時代に家計を苦しめた「赤字」が消え、家計には**「月10万円規模の黒字」が復活します。
この浮いたお金を、今度はiDeCoやNISA**に回してください。
- 大学4年間+院2年間(計6年):
- 月10万円 × 72ヶ月 = 約 720万円
教育費を払い終えた後、手元に残った「300万円」と、新たに貯めた「720万円」。
合計約1,000万円の老後資金を持って、私たちは子育てを卒業できるのです。
まとめ:この「細い道」を歩き通せるか
これが、年収900万円世帯が私立理系2人を育て上げ、かつ自分たちの老後も守るための**「唯一の勝算」**です。
- 前半(0-12歳): 贅沢を捨て、月15万円をオルカンに投じる。
- 後半(12-18歳): 赤字8万円を、資産を取り崩して耐え忍ぶ。
- 大学(18-22歳): 資産で学費を払い、給料で老後資金を作る。
非常に細く、厳しい道です。しかし、これ以外に道はありません。
このロードマップを実現するために、具体的に「どの証券会社で」「どう設定すればいいのか」。
次の**カテゴリー2「【攻略】オルカン資産形成術」**で、具体的なアクションプランを解説します。
コメント