「保育園時代はお金が貯まったけど、小学生になったらどうなるの?」
「中学受験をさせるなら、いつからお金がかかる?」
0-6歳のボーナスタイム(月15万円の黒字)が終わり、小学校に入学すると、家計の空気は一変します。
一見すると、まだ余裕があるように見えます。しかし、そこには**「小4の壁(中学受験)」**という巨大な罠が待ち構えています。
今回は、年収900万円世帯が直面する**「小学生(6年間平均)のリアル家計簿」**を公開し、高学年で訪れる資金ショートを防ぐための防衛策を解説します。
【結論】小学生の収支:黒字は「月10万円」に縮小する
まずは結論から。
未就学児時代には「月15万円」あった黒字は、小学生になると**「月10万円」**まで一気に縮小します。
「まだ10万円もあるじゃないか」と思った方。甘いです。
この10万円は、将来の学費を作るための**「投資ノルマ(月10万円積立)」**に回すべきお金であり、生活費として使っていいお金は1円もありません。
リアル月次収支シミュレーション(小学生平均)
これが、都内・私立中高一貫志望の家庭のスタンダードな家計簿です。
※低学年と高学年をならした「6年間平均」の数字であることに注意してください。
| 項目 | 金額 | 内訳・詳細 |
| 【収入】合計 | 510,000円 | 手取り合計(変更なし) |
| 給与+手当+ボ | 510,000円 | 給与45万+児童手当等+ボ補填3万 |
| 【支出】合計 | 410,000円 | 未就学期より+5万円 |
| (A) 固定費 | 195,000円 | |
| 家賃 | 150,000円 | 変更なし(15万円維持) |
| 光熱・通信・保険 | 45,000円 | 風呂・洗濯回数増、キッズ携帯等で微増 |
| (B) 生活変動費 | 145,000円 | 食べる量とサイズアウトの恐怖 |
| 食費・日用品 | 100,000円 | 給食はあるが食べる量が増加(+2万) |
| 小遣い・交際・服 | 45,000円 | 靴や服のサイズアウト激化(+5千) |
| (C) 教育費 | 50,000円 | ★重要:6年間の「ならし」平均 |
| 習い事・塾代 | 50,000円 | 低学年の余剰を高学年の塾代へプール |
| (D) 予備費(バッファー) | 20,000円 | 夏期講習や急な出費への対応枠 |
| 【月次収支】 | + 100,000円 | 月10万円の投資ノルマへ |
最大のポイントは「教育費5万円」のトリック
この表を見て、「塾代って月5万円で済むの?」と思った方は要注意です。
この「5万円」は、低学年(1〜3年)と高学年(4〜6年)を平均した数字に過ぎません。
実際には、以下のような推移を辿ります。
低学年(1〜3年生):まだ余裕がある
- 教育費: 月2万〜3万円(公文、スイミング、通信教育など)
- 状況: 予算5万円に対して、実際は2〜3万円で済みます。
- ミッション: ここで「おっ、浮いたお金で焼肉に行こう!」と思ってはいけません。浮いた差額(月2〜3万)は、絶対に手を付けずに**「高学年用の口座」**にプールしてください。
高学年(4〜6年生):SAPIX・日能研の衝撃
- 教育費: 月5万〜8万円(+季節講習で数十万)
- 状況: いわゆる**「小4の壁」**です。大手進学塾に通い始めると、月謝は跳ね上がります。6年生の夏期講習・冬期講習は、ボーナスが吹き飛ぶ金額になります。
- ミッション: 月々の家計(5万円予算)では足りなくなります。ここで、低学年のうちにプールしておいたお金を取り崩して支払うのです。
食費と被服費の「地味な増加」を舐めるな
教育費以外にも、生活費はじわじわ上がります。
- 食費(+2万円):高学年男子の食欲は大人並みです。「お米の減るスピード」が倍になります。未就学児時代は8万円で済んでいた食費・日用品費が、10万円に膨れ上がります。
- 予備費の減少(3万→2万):未就学児時代にあった「月3万円のバッファー」は、食費増などに圧迫され、**「月2万円」**まで減少しています。
もはや、無駄遣いできる余裕はどこにもありません。
この「月2万円のバッファー」は、塾の夏期講習代の足しにするための「命綱」です。レジャーに使っている場合ではないのです。
まとめ:この「10万円」は生活費ではない
小学生時代の家計を一言で言えば、**「嵐(中高生)の前の静けさ」**です。
低学年のうちは少し余裕があるように見えますが、それは**「高学年で支払う塾代の前払い期間」**に過ぎません。
- 月10万円の黒字 → 全額、資産運用(オルカン積立)へ。
- 教育費の浮いた分 → 全額、高学年用の貯蓄へ。
これを守れるかどうかが、中学入学以降に訪れる**「月8万円赤字地獄」**を生き残れるかの分水嶺になります。
まだ貯められる最後の期間。気を引き締めていきましょう。
次回の記事では、いよいよ恐ろしい**「中学生編(私立中高一貫のリアル)」**に突入します。ここで家計は初めて「赤字」に転落します。
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